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新型コロナウイルスに備えるために-誰にでもできる口腔ケアの可能性

河北新報 2020年3月18日

星野智祥(ほしのちしょう) / 医師

仙台在宅支援たいようクリニック

ー抜粋ー

 

3月18日、東京大学の研究チームによって、ナファモスタットという膵炎の治療を行う薬剤に、新型コロナウイルスの感染を阻害する可能性があることが発表されました。

ナファモスタットというのは、まさにこのプロテアーゼを阻害する薬剤のことなのです。

口腔内の歯周病菌を始めとした細菌が、新型コロナウイルスの感染を助長しているかどうかいまだに明らかにされていませんが、様々な事実を積み重ねていくと、歯周病対策による口腔内の衛生が新型コロナウイルスの感染防御に役立つ可能性は残されていると思います。

さらに、忘れてはならないのが、唾液には、運動と免疫力で触れた分泌型IgA抗体や、ラクトフェリン、リゾチームなど抗ウイルス作用を持ったたんぱく質が含まれており、感染防御の最前線の働きを担っていることです。

年齢が進むと唾液の分泌量が落ちてくるのですが、唾液の分泌を促すために、適度な水分を摂取し、マスクで口腔内の湿度を保ち、よく噛んで食べることがとても大切です。

歯周病は、口の中の問題だけでなく、狭心症や心筋梗塞などの心臓病、脳梗塞、動脈硬化、糖尿病、骨粗鬆症といった病気のリスクになることも明らかになってきています。

しっかりとした口腔ケア(※)で、自分の健康を守っていきましょう!